Part 1では、ペットボトルランタンの明るさに対する液体の種類、容量、濃度(常用対数に変換したもの)、そしてペットボトルの形状(ヒダヒダ、コーラ)の4つの要素を考慮したスクリーニング実験を実施しました。

実験の結果、容量、濃度、およびペットボトルの形状が明るいことに従うことが確認されました。そこでPart 2ではスクリーニング実験の結果をもとに、災害時の実用性も考慮して、ヒダヒダのペットボトルにスポーツ飲料を入れてランタンとして使用する際の最適な容量と濃度を応答曲面モデルをあてはめることにより調べてみます。
参考:前回のブログ
実験計画法(DOE)で「ペットボトルランタン」を最も明るい条件を調べてみる ~その1.スクリーニング実験~
最適化実験
「カスタム計画」を使って応答曲面モデルをあてはめる計画を作成してみます。 [RSM] (応答曲面モデルの略)ボタンをクリックして応答曲面モデル(主効果、2次の対話効果、2乗項を含むモデル)を指定します。実験の回数は確実値である12回とし、[ [計画の作成] ボタンをクリックすると計画が出来上がります。

■実験データの入力、実験データの長期化
作成された計画について実験を行い、照度計をより読み取った明るさ(lux)を入力しました。
ついでに、「グラフビルダー」で実験領域における実験点と明るさの関係を示したグラフを作成しました。
実験領域の頂点、軸点(各因子の下限、上限の真ん中の範囲)、中心点が実験点となっています。中心複合計画と呼ばれ、応答曲面をあてはめる際の代表的な計画です。

実験領域では右上(容量が濃度ともに大きい)の方が明るいです。
■分析レポート
応答曲面モデルをあてはめたときの分析レポートです。
- 「予測値と実測値のレポート」を見るとR2乗は0.93であり、赤い線(実測値と予測値が一致する領域)から大きく外れた実験点はないことがわかります。2つの要因で説明しているモデルの割には、あてはまりが良いモデルができています。
- 「パラメータ推定値」のレポートを見て、log10(濃度)の2乗項が意図的になっており、いずれ曲面効果があります。

■予測補償
予測利益につき、明るさの予測値が最も大きくなる因子の条件を、 【満足度の最大化】オプションを使って調べてみました。

ヒデヒデのボトルにスポーツ飲料を入れる場合、容量が500ml、濃度が100%のときの明るさは最大となり、その時の明るさは25.9(lux)であることがわかりました。
これより、ペットボトルランタンとしてスポーツ飲料を使うのであれば、特に容量と濃度を調整せずに開けないものをそのまま使えることが良いことがわかりました。
■等高線特典
以下の「等高線特典」は横軸を容量、縦軸をlog10(濃度)としたときの等高線です。 さらに、明るさの予測値が20以上となる領域を白色で表しています。

明るさが20(lux)以上であれば十分だと思いますが、白色の領域の範囲内で係数の設定値を検討してみると良いでしょう。
半分くらい飲んでしまった(容量が250mlになります)スポーツ飲料があったとしても、明るさは20(ルクス)以上と予測されるので、十分な明るさが得られると考えられます。
確認実験
最後に最適条件など将来因子の設定したい条件でもう一度実験し、この測定値とモデルが求められた予測値が近いため値があることを確認してみました。
今回の例では容量500ml、濃度100%の条件のときの明るさが最大となったので、これまでの実験とは言え、もう一度この条件で明るさを測定したところ、測定値は25.5(ルクス)となりました。
予測で求めた最適条件での予測値は25.9(ルクス)したがって、測定値と予測値は近い値になっており、最適条件での明るさの再現性を確認できました。
素人なりに実験を行ってきましたが・・
2回に分けてペットボトルランタンの実験をご紹介しましたが、実験は案外大変でした。 濃度や容量を調整が必要なので、自宅のキッチンで実施しました。 薄暗い中計量カップを使いながら濃度を調整したり、実験データを入力したりしていると、思わず真夜中になってしまいました。
ただ、私が行ったのは自由研究レベルの実験なので、今回の結果が本当に正確なのか、再現性や一般化の可能性については疑問が残ります。興味のある方は、ぜひ実験してみてください。
ペットボトルランタンは非常に適度な明るさを得る方法の一つです。
by 増川 直裕(JMP Japan)
増川直宏 - JMP ユーザーコミュニティ